低血圧に関しては病気ではありません。むしろ長生きするとも  
  言われています。
  
  けれど症状などある場合は
  放置はしてはいけません。


  
1低血圧とは

血圧とは、心臓から血液を押しだす力のことです。
健康診断などで血圧を測ると、計測器に最高血圧と最低血圧の値が表示されますね。
心臓は体内に血液を巡らせるために、縮んだり伸びたりします。
心臓が縮んで血液を押しだすときの血圧が最高血圧、心臓が伸びたときの血圧が最低血圧です。

・低血圧を決めるのは

血圧は心臓が伸び縮みするときに血管に加わる力のことです。
ということは、心臓の収縮力だけでなく、血液の量によっても血圧が変化します。
どれだけポンプ(心臓)を強く押しても、ポンプ内の血液量が少なければ血管に加わる力は小さくなるということです。
また、腎臓には血圧を調整する機能が備わっていますし、下垂体や副腎から分泌されるホルモンにも血圧を変化させるはたらきがあります。つまり、血圧を決めるのは、心臓の収縮力だけでなく様々な要因があるのです。

・血圧の変動

血圧は1日中同じではありません。時間帯や環境、運動量などにより変化します。
基本的には朝が一番低く、時間が経つにつれ高くなっていきます。
運動をした直後や緊張状態のときも高くなります。

人によっては「病院で血圧を測る」ということに緊張し、それにより数値が高くなる人もいます。
自宅に血圧計がある人は、時々測りましょう。
家で測る方が落ち着くので、本来の結果が出やすくなります。

また、定期的に血圧を測るときは、時間帯を揃えましょう。
ある日は朝測り、またある日は夜測るというのでは、数値に極端な差が出やすくなってしまいます。

・血圧と加齢

血圧は加齢とともに高くなるのが一般的です。
それは、加齢により血管が硬くなるためと考えられています。
血管が硬くなると、血液を送り込むためにより強い力が必要になってしまいます。
若い人には低血圧の人が意外と多くいます。
低血圧は高血圧ほど深刻なものではないのですが
めまいや立ちくらみ、頭痛、だるさなどの症状が出ることがあります。
症状が重い人は、医師に相談しましょう。
症状の程度によっては薬を処方してくれることがあります。

・低血圧とは

高血圧と違い、低血圧には具体的な基準はありません。
厚生労働省では、次の値を一応の正常値としています。
正常値より大幅に低い値が出たら低血圧と考えられます。

最高血圧 130~139mmHg
最低血圧 85mmHg未満
最高血圧値が90mmHg以下で低血圧、80mmHg以下で実際に低血圧の症状が出ると考えてください。

低血圧は高血圧のように健康に大きな悪影響を及ぼすとは考えられていないので、あまり気にする必要はありません。しかし、症状が重い場合は医師に相談しましょう。
若い人に多い

・低血圧の人の特徴

低血圧の人には次のような特徴が多くみられます。
中には、このような特徴があるから低血圧なるのか、低血圧だからこのような特徴が出るのか、分からないものもあります。
自分が低血圧かもしれないと思っている人は、参考までに目を通してみてください。
・胃腸の調子が悪い。小食。
・やせ型で筋肉が少ない。
・神経質で几帳面。
・些細なことで悩んだり不安になる。

・本能性低血圧

低血圧の多くがこの本態性低血圧です。
体質性低血圧ともいい、遺伝的体質が原因で起こっていると考えられています。

めまいや立ちくらみ、頭痛などの症状が出るものを本態性低血圧症。
特に自覚症状のないものを本態性低血圧と呼び、区別しています。
本態性低血圧症の人のうち、治療が必要なほど深刻な人は全体の10%程度といわれています

・起立性低血圧

しゃがんでいたり横になっている状態から急に起きあがったときに、立ちくらみを起こすことはありませんか?
急に起きあがったことにより血圧が急低下して、立ちくらみが起こります。
これは、健康な人でもたまに起こります。

しかし、これがたびたび起こる人は起立性低血圧です。
また、いわゆる脳貧血(急に立ち上がったときにめまいが起こるもの)も、起立性低血圧の症状です。
起立性低血圧は治療の対象になりますので、医師に相談しましょう。

・症候性低血圧

症候性低血圧は何らかの病気が原因で起こる低血圧のことです。
具体的には次のような病気があります。

症候性低血圧の人は、原因となる病気の治癒に伴い低血圧も改善されます。
① 心臓の血管の病気
 心筋梗塞、不整脈、心タンポナーデ、大動脈弁狭窄症、肥大型閉塞性心筋症など

② 肺の病気
肺塞栓、肺性心など

③ ホルモンの病気
甲状腺機能低下、アジソン病など

④ その他
病気による低栄養状態、寝たきり状態など

・本当に低血圧症?

実際は低血圧ではないのに、自分の体調不良を低血圧が原因だと思い込んでいる人も少なくありません。
毎年健康診断を受けたら、血圧をきちんとチェックしましょう。本当に正常より低い値ですか?

血圧は正常の範囲内なのに、頭痛やだるさなどの症状がある人は、低血圧ではなく別の部分に原因があると考えられます。
体調不良が起こったら、「低血圧だからしかたがない」と決めつけるのではなく、症状が続くようなら病院を受診することをおすすめします。

2低血圧を改善しよう

・生活習慣を見直そう
低血圧は病気ではありません。
ですから、あまりクヨクヨ気に病む必要はありません。
辛い症状が出るのであれば、生活習慣の改善や漢方を取り入れて症状改善を目指せばよいのです
特に生活習慣の改善は欠かせません。

夜更かしをした翌朝、なかなか起きられなくて「低血圧のせいだ」などと思っていませんか?
低血圧でなくても夜更かしをしたら朝起きられないのはよくあることです。
また、若い女性には食事量も運動量も少ない人がとても多いです。
1日中座りっぱなしでデスクワークをしていたら運動量も減ります
運動量が減れば食欲もそれ相応にしかわかず、スタミナ不足になってしまいます。

その他にも10代や20代前半の女性は無茶なダイエットをする人も多く
必要な栄養素が満足に摂れていないことが多いようです。
体調不良をすべて低血圧のせいにせず、できるところから改善をはかりましょう。

・規則正しい生活が基本

低血圧の人は、朝は体がだるくてなかなか起きられず
夕方になるにつれてだんだんと調子が出てくるという特徴があります。

しかし、無理をしてでも朝早起きをしないと夜更かしをしがちになり、翌朝起きるのが更に辛くなってしまいます。
思い切って、朝早起きをしてみましょう。そうすることで夜早い時間に眠気を感じ、ぐっすりと眠ることができます。すると、翌朝は比較的スッキリと起きられるのです。

朝なかなか布団から出られないという人は、布団の中で伸びをしたり
手足をグーパーと開いたり閉じたりしてから起きてみましょう。

・早起きのコツ
まずは、朝何時に起きるか決めましょう。
体がだるくて出かける支度に時間がかかる人は、余裕をもって早めの時間を設定しましょう。

起きる時間から逆算して、7、8時間前には布団に入るようにしましょう。
いつもより早い時間に横になってもなかなか眠気が起こらないかもしれませんが、
焦ると余計眠れません。腹式呼吸をしたり、横になる前にストレッチをするなど、工夫をしてみましょう。

用事がある日などで夜更かしをしても、翌朝はいつもと同じ時間に起きましょう。
朝は辛いですが、生活リズムを崩さないためには必要なことです。
1日中デスクワークをしているなど、日中あまり体を動かさない人は、夜なかなか眠くなりません。

日常生活の中でエスカレーターではなく階段を使ったり
帰宅途中に遠回りをしてウォーキングしながら帰るなど、体を動かす機会をつくりましょう。

・低血圧とストレス

低血圧で頭痛やだるさなどの症状があるのに
ストレスまで加わると症状がひどくなったり、不眠症、思考力の低下などを起こしかねません。
ストレスをまったく受けない人はいませんが、「忙しいのだからストレスがたまるのはしかたがない」
などと軽く考えず、ストレスにどう対応したらよいのか考えてみましょう。

・食事の改善
低血圧の人は次の点を意識して食事の改善をしてみましょう。

良質なたんぱく質をとること
低血圧の人は食事の時間になっても食欲がわかないことがあったり
少量の食事で満足してしまったり、素麺などの麺類や野菜ばかりの
アッサリとしたメニューだけで済ませてしまうことがあります。

たんぱく質は体をつくるために欠かせない栄養素です。

糖質や脂肪は体内で作ることができますが
たんぱく質は体内で作ることができないため、食事から摂取するよりほかありません。
食欲がわかなくても、必ずたんぱく質を摂取するように心がけましょう。

たんぱく質を摂るときは、1つの食品からたくさん摂るのではなく、複数の食品を組み合わせましょう。
複数の食品を組み合わせる方が、効率よくたんぱく質を合成することができるのです。

基本的には肉、魚介類、豆、乳製品、卵などをバランスよく食べましょう。

・主食をしっかりとろう
低血圧の人はエネルギー不足になりやすく、体力が無いと感じている人も多いことでしょう。
消化吸収がよく、効率よくエネルギーになるものといえば、米や麦などの炭水化物です。
炭水化物を減らす、あるいは全く摂らないダイエットをしている人もいるかもしれませんが
低血圧の人は主食をしっかりと食べて体力をつけましょう。

特にお米は、エネルギー源となる炭水化物のほかにも、たんぱく質やビタミンなど
さまざまな栄養素をバランスよく含んだ優良栄養食品です。

またお米のでんぷんは体内ですぐにブドウ糖になるため消化吸収率が高く
手っ取り早くエネルギーとなるという利点もあります。
ただし、食欲がないときにお米を食べるのは重たいと感じるのであれば、パンでも良いので食べましょう。

・朝食を食べよう

低血圧の人の中には、朝は食欲がないからといって何も食べない人が少なくないようです
朝食は1日を元気に過ごすために欠かせないものです。
食欲がなくても、何かを口に入れるようにしましょう。
朝食を抜くとこんな悪影響が出ます。

・脳のエネルギー不足
朝食を抜くと、脳のエネルギー源となるブドウ糖が体内で不足してしまいます。
脳にエネルギーが行き渡らないと、思考力が低下してしまい、「なんとなくボーっとする」という状態になってしまうのです。

・腸のトラブルを招く
1日の中で最もお通じが起こりやすいのは、朝食後です。
その朝食を抜いてしまうと排便リズムが崩れ、便秘や腹痛を起こしやすくなってしまいます。

・冷えを蓄積する
朝食を食べないとエネルギー不足で体温があがりません。
体に冷えが蓄積されると、低血圧の辛い症状がますますひどくなりやすくなります。

・朝のストレッチ
血圧の人にとっては、午前中は1日の中で最も辛い時間帯ではないでしょうか。

午前中ボーっとしたり低血圧の症状が出て辛いという人は、朝体を動かしてみましょう。
体を動かすといっても、ジョギングやエアロビクスのような激しい運動をする必要はありません。
軽いストレッチがおすすめです。

手足の筋肉をゆっくり延ばし、体を目覚めさせましょう。自分が気持ち良いと感じる程度に伸ばしましょう。

・筋肉をほぐそう
低血圧の人で頭痛や肩こりに悩んでいる人は、筋肉の緊張をほぐしてみましょう。
筋肉が緊張すると、頭痛や肩こりの一因となります。
筋肉をほぐすだけで症状が緩和されることもありますから、ぜひ試してみてください。
いずれも、痛みを感じるまでやらず、気持ちが良いと思える範囲で行いましょう。

≪首の筋肉をほぐす≫
・ゆっくり呼吸をしながら、ゆっくり首を回す。右方向に3回、左方向に3回行う。
・うなだれた姿勢をとり、両手を頭の後ろで組む。
その状態で手に力を入れ、頭を押し下げる。
・頭を横に傾け、手で頭を押し下げる。反対方向も行う。
≪肩の筋肉をほぐす≫
・肘を曲げた状態で、肩をグルリとゆっくり回す。
・両腕をダラリと脱力させた状態で、肩を上下させる。
・両腕を上げた状態で、体をひねる。

・運動量を増やそう

低血圧の人は運動不足であることが多いようです。
運動をするとすぐに疲れてしまったり、
体調がすぐれなくて運動をする気分になれなかったりと、運動不足の原因は様々です。

運動量を増やせば筋肉量が増えます。
スポーツで体を動かすときなどは、筋肉に蓄えられているグリコーゲンという物質をエネルギーにしています。
グリコーゲンをたくさん蓄えるには、筋肉量を増やすほかありません。
運動をして筋肉量が増えればグリコーゲンも増え、たくさん運動できる体になっていきます。

はじめは少し大変でも、運動量を増やすことで良い循環が生まれ、疲れにくい体ができていきます。
また、運動量を増やすと血行も良くなるので、頭痛や冷えが緩和されていきます。
運動量を増やすといっても、何もいきなりハードなスポーツを始める必要はありません。

まずはウォーキングがおすすめです。
専用のウェアや道具を用意する必要はなく、家にある動きやすい服と運動靴でOKですから
気軽にスタートできます。

運動をするときは、交感神経が優位になる日中がおすすめです。
夜は副交感神経が優位になり体を休めるモードに入るので
この時間帯に運動をすると体内のリズムが乱れてしまいます。

・昔ながらの方法

乾布摩擦は日本に昔から伝わる健康法のひとつです。
乾布摩擦というと、寒い日に体を温めるために行うものというイメージをもつ人もいるでしょうが
実は低血圧対策にも効果を発揮するのです。

乾布摩擦をすることで血行が良くなりますし、自律神経のバランスも整います。

その結果、低血圧の症状がおさまっていくのです。

毎朝着替えるときなどに、乾いたタオルを使って乾布摩擦を行いましょう。
効果は長く続けることで徐々に現れてきます。気長に継続することが大切です。

・胃腸が弱い人

低血圧の人の中には、胃腸が弱い人が多いようです。そのような人は、食事の際に次の点を気をつけましょう。

・消化の良いものを、やわらかめに調理しましょう。

・栄養バランスがとれた食事をしましょう。
・ゆっくり、よく噛んで食べましょう。

・1度にたくさん食べ過ぎないようにしましょう。
更に胃下垂の人は、栄養価の高い食事を1日4回か5回に分けてとり
痩せを解消して標準体重に近づけましょう。

委縮性胃炎の人は、たんぱく質を消化する能力が落ちています。
乳製品、卵、豆腐などのほか、脂肪の少ない肉や魚を食べましょう。
アルコールは胃酸の分泌を促すので、胃酸過多の人はアルコールを控えましょう。
空腹が続いて胃が空っぽになると、胃酸の刺激により胃が痛くなります。
空腹を感じたら放っておかず、間食をしましょう。