頭痛にも色んな種類があります。
      頭痛が続くと全くと言っていいほど集中できませんよね。
    
     その痛がっている頭痛は症状などの違いで大きく病気に発展してしまうかも
  しれません。




頭痛

頭痛は大きく3つに分類されます

I. 日常的頭痛
第1はアイスクリームなどを食べた時に起きるキーンとくる頭痛や二日酔いで起きる頭痛や、疲れて起きる頭痛などの日常的な頭痛で、あまり心配する必要はありません。

II. 脳に異常がある頭痛
第2はくも膜下出血や髄膜炎などの脳の異常から起きる頭痛です。
この頭痛は原因となっている疾患を治す必要があります。

III. 脳に異常がない頭痛・・・慢性頭痛
第3に、最も多いタイプで、脳に異常がないのに頭痛が起きるもので、慢性頭痛と呼ばれています。
この慢性頭痛はさらに、片頭痛・群発頭痛 ・緊張型頭痛の3つのタイプに分けられます。
1. 片頭痛
a. 耐え難い痛み。
b. 痛みが数時間~3日続く。
c. 月に1~2回起きる。
d. 脳の血管が拡張して起きる。
e. 遺伝的要因にストレスなどが加わって起きる。
f. 女性に多い(男性の3倍)。
生理前に頭痛が起きることがある。

2. 群発頭痛
a. 耐え難い痛み。
b. 目の奥がえぐられるような痛み。つらくてジッとしていられない。
c. 1年の決まった時期、1日の決まった時間に頭痛が起きる。
d. 脳の血管が拡張して起きる。
e. 男性に多い(女性の10倍)

3. 緊張型頭痛
a. 頭全体がしめつけられる痛み。
b. フワフワとしためまいや吐き気を伴うことがある。
c. ストレスがあると頭痛が起きやすい。
ストレスには対人関係などの精神的ストレスや、肉体的ストレス(ずっとうつむいている姿勢など)があります。
d. 後頭部の重圧感、締め付け感があったり、肩こり・背筋・頸部が凝りやすい。
e. 痛みはほぼ毎日ある。
f. 痛みが長時間続くことがある


発作時の対処法(薬物療法)
頭痛の治療では、誘因を取り除いたり、生活習慣の改善を行うことが第一歩ですが、それだけで改善が難しければ薬物療法を行います。
治療に用いる薬剤は頭痛のタイプによって異なるので、病院で診断を受けた上で適切な薬を処方してもらうようにしてください。
ここでは例として、片頭痛の治療に用いられるトリプタン系薬剤をご紹介します。


片頭痛治療の特徴
片頭痛治療に用いられる薬にも、それぞれ特徴があります。
アスピリンなどの鎮痛薬は、脳に作用して痛みの感じ方をやわらげる働きをします。
これに対して、エルゴタミン製剤やトリプタン系薬剤などは、痛みを増強する原因となっている拡張した血管を正常な太さに収縮させる働きを持っています。
トリプタン系薬剤は、血管の収縮と伴に、「痛みの伝達物質」放出を抑え、痛みを鎮める働きも備えています。


トリプタン系薬剤とは
トリプタン系薬剤は、1997年3月に英国で承認され、日本では2000年に注射薬が、2001年に経口剤が、医師の処方により使用できるようになりました。
トリプタン系薬剤は片頭痛に有効な薬といわれており、頭痛の発作が起こってから早いタイミングで服用することができれば大変高い効果を発揮します。
そのため、いかなる状況でも薬を飲めるよう、水無しで飲んでも口の中ですぐ溶ける錠剤(口腔内速溶錠)もあります。


トリプタン系薬剤の特徴
トリプタン系薬剤の特徴は、これまで使用されてきたエルゴタミン製剤とは異なり、頭痛発作のピーク時に服用しても改善効果を発揮する点にあります
ただし、頭痛がピークに達するまで服用を待つ必要はありません。頭痛が起きたら、なるべく早く服用する方がよく効きます。
また、吐き気・嘔吐・光や音に対する過敏などの随伴症状についても軽減する効果があります。
そのような背景から、トリプタン系薬剤は
鎮痛薬やエルゴタミン製剤では充分な効果が得られなかった方
頭痛発作時には仕事や家事が手につかないといったように日常生活に支障をきたしていた方の治療に大きな効果を発揮しています。
以上のように頭痛のタイプごとに適した薬剤が開発されていますので、医療機関で医師にご相談の上、適切な薬剤を処方してもらうようにしてください。


発作時の対処法(それ以外の方法)
頭痛発作時には医師に相談して適切な薬を服用することが最も効果的ですが、以下のような方法も痛みを抑えるために効果的な場合があります。
状況に応じて試してみる価値はあるでしょう。


片頭痛の場合

安静にする
片頭痛の発作が起きた場合、患者の方にとっては立っているだけでもつらいものです。
そのような時は横になり部屋を暗くして安静を保つのがよいでしょう。
状況が許せば、そのまま眠ってしまうのが一番です。
適度に睡眠をとることは、過敏になった脳を鎮痛させ、拡張した血管を収縮させる働きがあるかもしれないと考えられています。
もちろん状況によっては寝ることができない場合もあるでしょう。
そのような場合には、座って安静にするだけでも効果はあります。

頭を冷やす
人によっては頭を冷やすことによって痛みを軽くできる場合もあります。
頭を冷やすには、保冷パックや氷まくらなどをタオルで包んで、頭の下に敷くようにしましょう。
また、何か冷たいものや冷却シートなどを額に乗せる方法もあります。


緊張型頭痛の場合

緊張型頭痛は、マッサージ、お風呂に入る、エアロビクスをする、などによってリラックスすることで痛みが抑えられる場合があります。
大前提として、「頭痛に有効な対策は人によって違う」ということを念頭に、あなたにあった対処法を探してみてください。


頭痛の原因 

片頭痛を引き起こすメカニズム

頭部の血管が拡張し、炎症を起こして痛みが発生するのが片頭痛ですが、その発生の原因には幾つかの説があります。ここでは一般的によく知られている2つの説をご紹介します。


・血管説

頭部の血管が拡張することによって頭痛が起こると考える説です。
血小板からのセロトニン(血管を収縮させる作用を持つ)が放出されるため一旦脳の血管が収縮します。
その後、時間の経過とともにセロトニンが分解されていき減少することによって一度収縮した血管が逆に拡張するために頭痛が起こるというものです。


・三叉神経血管説

脳神経の中で最も大きい三叉神経(顔面周辺の感覚をつかさどる)が関与しているという説です。
何らかの刺激によって三叉神経が刺激されることにより、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつ様々な神経伝達物質が分泌されます。
それらの働きで拡張した血管や、それによって発生した炎症が神経を刺激して痛みが起こるというものです。



片頭痛の症状

片頭痛は、頭の片側または両側が脈打つようにズキンズキンと痛む病気です。
月に1~2度とか、週に1~2度の頻度で発作的に起こるのが特徴で、いったん痛み出すと寝込んでしまう、仕事が手につかないなど、多くの方が日常生活に支障をきたします。
吐き気や嘔吐を伴うことが多く、また普段はなんでもないような光や音に対して過敏になる、といった随伴症状がみられることもあります。
しかし、痛みがおさまると健康な人と全く同じように生活や行動ができますし、片頭痛自体が命にかかわることはありません。
ストレスのある状態を続けたあと、一段落してホッとしたとき(休日など)にも頭痛が起こります。
頭痛は数時間程度のこともあれば、3日間くらい続くこともあります。


片頭痛の前兆

片頭痛は、痛みの起こる直前に「前兆」を伴うタイプと、伴わないタイプに分類できます。
最も多い前兆は「閃輝暗点」とよばれる症状で、
目の前で光がチカチカする
視野の一部に歯車のようなギザギザしたものが現れる
視界が欠ける
などがあります。
一般に5~60分程度続き、それが終わって60分以内に激しい痛みに襲われます。
それ以外の前兆としては、手足がしびれる、しゃべりにくくなる、といった症状などもみられます。 もっとも、前兆を伴わない片頭痛のほうが多く、同じ人でも前兆がいつも現れるわけではありません。


片頭痛の予兆

前兆を伴わない片頭痛でも、「なんとなく頭痛がきそうだ」という漠然とした予感を感じることがあります。
具体的には、
だるい
気分がよくない
イライラする
食欲が通常以上に出る
体がむくむ
甘いものを無性に食べたくなる
眠気を感じる
といった状態になり、そのあとに頭痛が起こるケースです。
こうした漠然とした症状については「予兆」とよんで、前兆とは区別しています。


頭痛の原因 緊張型頭痛

緊張型頭痛を引き起こすメカニズム

緊張型頭痛の発生には、身体的・精神的なストレスが複雑に関係していると考えられています。


身体的なストレスによる緊張型頭痛

無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などによって頭から肩にかけての筋肉が緊張し血流が悪くなると、乳酸などの疲労物質が筋肉にたまり、 これが神経を刺激して痛みを引き起こすと考えられています。
特に、首筋の筋肉が弱い人ほど、頭部をしっかりと支えることができずに頭痛を引き起こしやすい傾向があるようです。


精神的なストレスによる緊張型頭痛

身体的なストレスが無くとも、精神的なストレスのみが原因で頭痛を発症するケースもあります。
精神的に緊張した状態が長期間続くと、脳の痛みを調整する部位が機能不全を起こし頭痛を引き起こしてしまうのです。
このような、精神的ストレスを原因とする緊張型頭痛には、生真面目な性格や几帳面さを持った人がかかりやすいと言われています。


緊張型の症状

緊張型頭痛は、にぶい痛みが特徴ですが、我慢できないほどではないのが普通です。
数時間~数日の頭痛が反復性におこる場合と、持続的に毎日のように続く場合があります。
首や肩のこりを伴うこともあります。嘔吐を伴うことはありません。
コンピューターの前に長時間座っているような人に多く、効果的に休憩をとるなど、ライフスタイルの改善でよくなることもあります。


緊張型頭痛と片頭痛が併発した場合

緊張型頭痛は、片頭痛ほどの痛みはないものの、頭が締め付けられているような頭の重い状態が起こります。
片頭痛がストレスから解放されてホッとしたときに起こりやすいのに対して、緊張型頭痛はストレスにより頭や首を囲む筋肉が過剰に緊張して起こる傾向があるようです。
多くは肩や首筋のこりや眼精疲労を伴います。一般に、片頭痛だけの患者さんは頭痛の無いときには頭がすっきりしているのですが、 緊張型頭痛を併発すると、いつも頭が重い状態が続く場合があります。
基本的に軽い緊張型頭痛であれば、
ストレスを解消する
リラックスする
体操をする
筋肉の緊張をほぐす など
頭痛の原因となっていた生活習慣を改善するだけでよくなることも珍しくはありません。
一方片頭痛は、生活習慣の改善はもちろん大切ですが、 それだけで改善が難しい場合は、発作の予防や痛みを抑えるための薬物療法を行うことも重要です。
ですから、両方を合併している人は普段から生活習慣の改善を心がけるようにしてください。
その上で、一人一人の片頭痛の特徴・症状に合わせた薬を正しく飲みましょう。


頭痛の原因 群発頭痛

群発頭痛を引き起こすメカニズム

群発頭痛の原因については残念ながらまだはっきりとしていません
副交感神経の刺激により、涙が出る、瞳孔が小さくなる、充血・鼻水・発汗といった症状を伴います。


群発頭痛の症状

群発頭痛も片頭痛と同様に発作的に起こる頭痛です。
年に数回から数年に1回くらいの頻度で起こりますが、一度発症すると1~2ヶ月にわたって、ほとんど毎日、 ほぼ同じ時間帯に激しい頭痛におそわれます。
じっとしていられず、転げまわる人もいるほどです。 片側の目の奥が強烈に痛むのが特徴で、同じ側の目や鼻に涙・鼻水・鼻づまりなどの症状が現れます。
発作が起こっている期間にアルコールを飲むと、必ずといっていいほど頭痛発作が起こります。


その他の頭痛(注意すべき頭痛)


その他の頭痛を引き起こすメカニズム

病気の症状として発生する頭痛の中には命に関わるような危険な頭痛も存在します。これらの注意すべき頭痛について知っておくことも重要です。


その他の頭痛の原因となる病気
頭痛の原因となる病気のうち、特に危険なものとしては以下のような病気が挙げられます。

くも膜下出血
突然激しい頭痛が起こり、吐き気や嘔吐を伴います。

脳出血
手足のしびれ・意識障害・ろれつが回らなくなるといった症状を伴い、頭痛が徐々に強くなります。

脳腫瘍
頭痛の他に、嘔吐やけいれん・手足の麻痺・言語障害・視力の低下・視野が狭くなるといった症状が現れることが多く、脳に水がたまることもあります。

髄膜炎、脳炎
38度以上の熱が出て、うなじのあたりが硬くなったり、嘔吐がみられます。
後頭部に強い痛みを感じることが多いという特徴もあります。
また意識障害やけいれんを生じることもあります。

慢性硬膜下血腫
お年寄りに多いですが、若い人にも起こります。
頭部の打撲がきっかけになることもあります。ぼけ症状や麻痺を伴います。
一次性頭痛(慢性頭痛)を持っている人の場合、二次性頭痛が発生しても「いつもの頭痛だ」と考えて放置してしまうケースがあります。
しかし、このようなケースの頭痛は、上記の通り命に関わる病気の症状として発生している場合もあるので、早めに医師に相談しましょう。