人と関わる世界に出ていれば誰もが気にする口臭。
  
  今ではセクハラ、パワハラに続き臭いの部類も出てきてるそうです。
  
  臭いの強い食べ物でしたら、一時的なものなので時間が
  経てば自然に消えてしまいます。
  
  けれどもそれ以外の場合何らかの対処、予防が必要です。
  病気などの恐れもありますので気にかけておいたほうが身のためになります。


口臭について

口臭とは?
 文字通り口から発する臭いのことです。この口の臭いには病的なものや
そうではない飲食物などの臭いもあります。
しかし、ここでは専門的立場から食物由来のものは除きます。
 
臭い自体も感覚的なもので、その臭いに対する受容器(臭いとして感じる器官)の有無や感度も関係してきます。すなわち、ひじょうに官能的なものであるということです。


口臭の分類

1.真性口臭症
1)生理的口臭
原因疾患がないもの(ニンニクなどの一時的なものは除く)

2)病的口臭
a. 口腔由来の病的口臭
口の中の病気や変化、機能低下によるもの。口臭の90%以上がこれにあたる。
b. 全身由来の病的口臭
耳鼻咽喉、呼吸器疾患、内臓器疾患によるもの。

2.仮性口臭症
患者は口臭を感じるが、他人からは臭いが感じられないもの。

3.口臭恐怖症
病的に口臭に対する意識がつよいもの。
これらは口臭症の国際分類から

生理的口臭
病的状態ではなく臭うものであって、ニンニクとか食べ物に由来するもの以外を言います。
この生理的口臭の6割が舌の苔によるもので、それ以外は原因不明のものが多いです。

口腔由来の病的口臭
ここで最も多いのが、歯周病由来のものです。
逆に歯周病の人はほとんど口臭が発生してみてよいでしょう。
最近では歯周病の有無の検査に口臭測定が行われつつあります。
しかも、90%以上の口臭がこの部分に入るのです。
従って、口臭のある人は歯周病の検査を受けてください。また、定期的に検査を受けることをおすすめします。

全身由来の病的口臭
耳鼻咽喉・呼吸器系・消化器系、その他全身疾患などによる口臭です。
よく胃が悪いと口臭がすると言われるのが、これにあたります。
しかし、頻度はかなり低いです。癌による口臭も特徴的と言えるでしょう。

仮性口臭症
これは本人が口臭を感じ、他人には感じないものを言います。
本田俊一先生などは、この仮性口臭症にも特殊な他覚的に臭いがあるとして治療をすすめております。
もちろん、この可能性は否定できませんが、現在のところ学会の見解は上記のようになっております。

口臭恐怖症
これはあくまで精神的なものを言います。これは歯科医師だけでは治療は困難とされております。
これらはできるだけわかりやすく解説しましたの学術的には少しニュアンスが異なるかも知れません。


口臭の自己診断
簡易自己診断法
ステップ1
次の項目にいくつ該当しますか?3つ以上該当する方は口臭の検査を受けた方が良いでしょう。
    
1)口で呼吸をすることが多い。
    
2)歯がぐらぐらしている。
    
3)ハミガキで出血する。
    
4)タバコを吸う。
    
5)のどが渇く(口が乾く)。
    
6)口内炎がよくできる。
    
7)舌の表面が黄白色または茶色である。
    
8)口臭を気にしていない。
    
9)鼻がわるい。 
   
10)ストレスを感じやすい。
ステップ2
コップを使用した方法。これは吐息をコップの中に入れ、すぐに自分で嗅いでみると良いでしょう。
朝の起床時が最もわかりやすいでしょう。 これを数日繰り返してください。

診 断
ステップ1で3つ以上の項目に該当した場合は、ステップ2の朝起床時にコップ自己診断法を試してみてください。この結果 が陽性であった場合は口臭治療の可能な口臭外来のある医院でご相談ください。
過去のの経験では口臭を気にしている患者さんには、ほとんど口臭がないのが一般 的なのです。
ほとんどが全く気にしていない方の口臭が著しいのです。
すなわち、口臭とはちょっとした知識を持つことによって簡単に予防することができるのです。
次のページをぜひご理解ください。口臭予防の簡単さがわかると思います。



知っておくと便利な口臭の知識
 口臭の知識もなく、むやみやたらマウスリンス(うがい薬)などで洗口しても、逆効果 の場合があります。
また、舌ブラシでゴシゴシやって舌に傷を作ってかえって口臭が増悪することもあります。
従いまして正しい知識を得ていただくことが最も大切です。
また、口臭の発生しやすい時間帯や発生しやすい状況を知ることにより
他人に迷惑をかけないで済ますことが可能です。
 
口臭の種類
 1)食物に由来する口臭
 2)歯周病性口臭
 3)残留食渣由来性口臭(食べカスが発生する口臭)
 4)口内炎性口臭
 5)潰瘍性口臭
 6)義歯性口臭
 7)老人性口臭
 8)出血性口臭
 9)カンジダ症性口臭
10)口腔扁平苔癬性口臭
11)腫瘍性口臭
12)妊娠性口臭
13)排卵性口臭
14)口呼吸性口臭

食物に由来する口臭
「ニンニク口臭」で代表されます。食品を食することで口臭を発生させるものを言います。
これらは病気ではありませんので時間が経過すれば、自然に治癒するのが特徴です。

歯周病性口臭
病的口臭で最も多いのが、この口臭だと言われております。歯周病の簡易診断に有効です。
残留食渣由来性口臭
食べカスが「むし歯」や不適合な詰め物や被せもの隙間に詰まり
口内の細菌によって発酵して口臭が発生するものです。

口内炎性口臭
アフタ性口内炎などを発生源とした口臭です。

潰瘍性口臭
口内の粘膜が潰瘍を起こすと独特な口臭が発生します。

義歯性口臭
「入れ歯」の手入れ不足により発生した口臭です。

老人性口臭
老化に伴い、あらゆる機能低下により発生する口臭です。

出血性口臭
口内に出血した血液から発生した口臭です。

カンジダ症性口臭
口腔カンジダ症患者に発生する口臭を言います。

口腔扁平苔癬性口臭
口腔扁平苔癬(頬粘膜や歯ぐきレース模様に粘膜が変化した病気)患者に発生する口臭です。

腫瘍性口臭
特に悪性腫瘍(癌)などは独特な口臭が発生します。

妊娠性口臭
特に妊娠初期は「つわり」等で口臭を発生しやすくなります。またホルモンの変化で独特な口臭を発生することもあります。

排卵性口臭
排卵日前後に発生する口臭を言います。

口呼吸性口臭
口で呼吸する人は必ず口臭が発生します。
この表の口臭は分類ではありません。従って重複するものもあったり、数種類が合併したものも当然あります。

口臭の特徴
 1)口臭が最も強くなるのは起床時です。
 2)飲食時は口臭が消えます。水での「うがい」でも大丈夫です。
 3)口臭はだ液の分泌量が減少したとき、発生します。
緊張時にはだ液の分泌が減少すため口臭が発生しやすくなります。
 4)口臭の一番の発生源は舌です。
 5)だ液だけでも口臭を消すことが可能です。(すべてのカギはだ液が握っています。)
 6) 口臭を発生させるのは口内の細菌が原因です。
 7)細菌が食物を分解して口臭のガスを発生させるのです。
 しかし、食べなくても口臭を発生させることを忘れないでください。
 8)ストレスは口臭を増強させます。
 9)歯ぐきなどの粘膜の炎症(口内炎を含む)は口臭を発生させます。 
10)口臭の原因の大部分が歯周病です。
11)空腹時は口臭を発生しやすい。                                    
舌による洗浄
舌による口内の洗浄法
 これは舌を動かすことにより、舌の下の付け根にだ液の出る穴があり、そこからだ液が反射的に出ます。
この唾液を使い、口の中をくまなく洗います。
特に歯並びの外側と唇やほっぺの間は念入りに舌を使い、洗いましょう。
そうすると、口の中の口臭を出す細菌が洗われ、口臭が減少します。
ただし、あくまで応急的方法であることを念頭においてください。

舌 清 掃
舌ブラシやタングクリーナーによる舌清掃
。
口臭の発生源は舌ですので、舌背の歯垢を除去することによって口臭を予防することが可能です
舌の清掃は1日1回が原則です。あまり、力強くしたり、回数を多くすると逆効果 ですのでご注意ください。

う が い
水による「うがい」
 病的口臭でなければ水による「うがい」でも十分に口臭が消えます。
ただ、効果 時間は短いので注意してください。

洗口剤(マウスリンス)による「うがい」
 病的口臭の方は洗口剤の使用が効果的です。
 たくさんの種類の洗口剤が市販されておりますので、どれを選んでもある程度は効果 が期待できます。
ただ注意していただきたいのは長期連続使用は避けたほうが良いでしょう。
チューインガム
チューインガムの効果 
 チューインガムの口臭予防効果は機械的と化学的の2つの作用があるが
科学的作用のクロロフィルやフボノイドは実際に薬剤としての効果 は無いとのことです。
従って機械的な効果のみですので、どれでも差が無いと思われます。
ただ、キシリトールガムはペーハーを下げないので予防効果 がありそうです。

ハーブティー
 ハーブティーにおいても臨床的にはあまり効果が無い、とアメリカで行われた国際口臭学会で
報告があったそうです。

お 茶
カテキン効果
 お茶の成分であるカテキンは消臭効果 があると言われております。最近は成分のカテキンだけを抽出したものが出ております。
唾液分泌
唾液分泌機能促進
 「むし歯」・「歯周病」も唾液分泌機能が大きく影響しておりますが
口臭もこの唾液分泌機能が大きく左右します。
また、現代人は唾液分泌機能が低下しているとも言われております。
そこで、「むし歯」・「歯周病」予防も兼ねて唾液分泌の促進させる方法をお教えします。
 
唾液分泌機能促進させる方法は普段食事時に良く咬むことです。
一口30回以上」咬んでからのみ込んでください。